カナダの冬季オリンピックで、スノーボードの國母選手が、色々話題になっていました。彼の緑色の歯に???の方もいらっしゃったと思いますが、アレはスポーツマウスピース(マウスガード)というものです。激しいスポーツをする時に、思わず歯を食いしばりますね。その力は数10キロにもなるので、その衝撃から「歯」を守るためと、またしっかり食いしばれないと、力が出せないと言う理由もあります。もちろんスポーツ自体の外傷から口腔を守る意味もありますし、頭部全体を衝撃から守る効果もあると言われています。スポーツ用具店などでもあるようですが、個人の歯型/歯列/噛み合わせに合ったモノを装着することが望ましいので、やはり専門の歯科での作成をお勧めします。もちろん見た目、地味な透明のもあります。
新聞に、ある病院では「身体に負担の多いガンの治療」を始めるにあたって、歯科医が虫歯や歯周病の治療を、歯科衛生士さんが歯垢をとるなど全体をキレイにして、それからがんばって治療すると、その後の副作用などにも効いて、良い結果になり、苦しい治療中も助かったという記事が出ていました。入院生活は誰でもツライので、そんな時に衛生士さんが口腔内の清浄を手助けしてくれたら、コレは大きな力になると大きく頷けました。多くの病院でこの手当が常態化するとよいのですが、とりあえず家族が入院されている方は、普段より丁寧な歯磨きや、舌の清掃に気を配りしましょう。
医療機関である歯科医院の施設にとっても「清潔」は大事なことです。3年前に施設を改装した時に今までと一番変えたのは、靴を脱がないで診療を受けることにしたところです。清潔という観点から検討を重ねました。歯科医院では治療台に足を上げる姿勢になるので、スリッパに履き替えるところが多いのですが、お他人様のはいたスリッパをまた履くことに抵抗があるようになって来ました。スリッパ棚を滅菌装置にするなど工夫していましたが、この際医科のように土足のまま診療する態勢を選択しました。そのためには入り口の泥ホコリ落としマット、診療台のカバー、また院内の清掃に気も経費もかけています。清潔の意味合いが多少ズレてはいますが、オマケとして高齢の方には靴の脱ぎ着がなくなったことを歓迎されております。
現代では殆どの人が毎朝、顔を洗います。お風呂に入り、爪を切り、ヒゲをそり、身につける洋服も洗濯します。しかし身体の中側は見えないし、自分ではどうにも出来ません。それだけに外側と中を繋ぐ「口」は、重要な関門です。清潔であることは現代を生きる上で、大事な「条件」にまでなっている感があり、いき過ぎも問題ですが、防ぐことが出来る「病気」にかからないためにも、口中は心して清潔に保ちましょう。「口」は外見という範疇にも入ります。整った歯並びや白い歯以前に、食べカスなどの汚れをキレイにして気持ちよく暮らしましょう。ひいてはそれが、健康につながります。